「タネと内臓」吉田太郎 著を読んで

今年のGW明けに仕事の関係で徳島県の阿波踊り空港(凄いネーミング)に到着後すぐ電話が鳴り、キューバ農業視察で大変お世話になった吉田太郎先生からの着信でした。突然でまた懐かしく嬉しく話し、その夜も旅先のホテルから私の近況報告などメールさせて頂きました。ご丁寧に送信後直ぐご丁寧に返信があり、吉田先生はしばらく体調を崩されていた事、にも関わらず精力的にご自身の病気と食の関連について「タネと内臓」の本を出版されたとの事でした。
私は直ぐに出張先で本を注文し、昨日やっと(私は読書と同時にネットで調べながら読書する人なので時間が掛かります)読み終えたので忘れないうちにまとめて感想文を書く事にしました。


本書は私にとっても「ホモ・サピエンス全史」の次に読む本として偶然にも関連があり、現代の食生活、過去の人々の腸内細菌の違い、栄養素も微生物が作り出す肥満やアレルギーや病気も微生物が関連してる事例、GM食品と種子の問題を通じ、まるで「植物の根は人間の腸なんだ〜」と気付かされます。そして吉田太郎氏が薦めるアグロエコロジーについて書かれて殆どのページが赤っかにマーカーだらけになる程、食と農業に関係する者として参考になりました。色々な文献も参照され調べられて、食や農業や健康について更に広く研究された一冊だと思いました。
私は過去北海道で大規模機械化農業を進めて来ましたがその頃に抱いた日本の農業の疑問を吉田太郎先生の多数の本書(特にキューバの有機農業や国の在り方)で学び、吉田太郎先生のご紹介で実際にキューバへ行き有機農業とアグロエコロジーについて実際の目で見て生きる為の有機農業に触れて、時代の移り変わりや農業者へ求めるモノ、農業の変化と時代と共に移り変わる様、しかし従来の百姓、小規模農家の大切さなどを学びました。何時も農業者の興味のある内容の本を出筆されています。そして本書は現代の食と農業と健康についてのトレンドが書かれていると思います。以上ザックリと書きました。詳しくは本書をお読みください。

早稲田大学キャンパスにて

水野南北氏の食について、ユヴァル・ノア・ハラリ氏のホモ・サピエンスと農耕文明の歩みと現代の病や原因。カフェの本棚に並べてます。
食と農業と健康にご興味のある方は是非読んでみてください。
貴方の疑問や悩みに必ず納得、発見やヒントがあります。

スマート農業Ⅱ 平成から令和へ

私の農業生産が主だった昭和から平成は農業機械を使用する立場でした。主な機械類としては、プランター、除草機、ハーベスターなどの乗用農業機械です。令和になって過去30年を振り返り、機械類の(特にアグリテックマシーン)進化、農業機械について雑感を少し書きたいと思います。

今「アグリテック」と云われる機械装置が市販化されて来てます。
又農業者の知恵や勘がビッグデータとして蓄積され、無人で作業する時代に入り、IT企業などの参入、異業種の農業参入も増え(その一部では)盛り上がってます。農業分野のIT化や進化が特に農業現場に遅れがあるからと思います。

有人から無人へ。24時間営業。

農家が寝ている間でも機械、ロボットが無人で働く、遠隔操作でコンピュータ(AI)が自ら判断し作業する未来。「令和」からその様な時代になります。

今後私はこれからの農業に必要なそれらのモノを作る側に関わることになりますが、参入する企業側と農業者側の双方が得(徳)になる様その方向へ導くことが、人生後半の役割と思ってます。

身体を酷使する農業、仮に1日あたり労働時間が8時間として機械が24時間休まず働くなら3倍の効率となり、人間は単純労働に充てて一人当り4倍の作業効率となります。   熟練技術の継承、後継者不足問題、過酷な重労働の解消に「アグリテック」が更に進化して行くでしょう。

良い意味でも悪い意味でも農業革命後、爆発的に人口増え続けている地球にこれからも人間が住み続ける以上、効率良く農業生産を増やして行かなければなりません。

’’アグリテック’’意味 〜goo辞書より抜粋〜

IT(情報技術)の導入によって実現される革新的な農業。また、それに関連するビジネスやサービス。ドローンや自動運転農機の利用のほか、ビッグデータ人工知能を駆使して生産管理・収量予測などを行う試みなどがある。アグテック。スマート農業。

「サピエンス全史」(上)を農的に読む

世界的なベストセラー「サピエンス全史」ユヴァル・ノア・ハラリ著、(第2部 農業革命 104ページ〜)上下巻で分厚い本で内容も私には難しいかとは思いましたが、農業について書かれた部分に常人ではない視点で書かれていて興味深く読ませて頂きました。
世界の農業遺跡の中にパプアニューギニアの唯一の世界遺産「クックの初期農業遺跡」にも触れてあったので特に入り込めたと思います。
ウィキペディア参照→
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/クックの初期農業遺跡
あくまでも主観ですが、「現代に生きる人々が思い悩む点、矛盾についてヒントになる何か」が書かれていると思いました。
大筋としては他の類人猿とは違いホモ・サピエンスだけの歴史が現代まで続いて来た事とは「虚構」によるものであり、本著はその裏付けを上下巻によって論じています。農業の始まりと農業革命がホモ・サピエンスと史の要であり、農業家としてDNAレベルで植物も動物も、そして人間まで同じ視点で書かれてる事に改めて気付きがありました。一般的に考えられている「種の繁栄と成功」とは結局ホモ・サピエンスの「虚構」から築きられたこれも「虚構」であると。

ユヴァル・ノア・ハラリの視点で物事を見てそして考える事で、農業以外でも私達現代の生き方のヒント、楽な生き方にプラスになるのではないでしょうか。
私にはそう思える本著でした。
是非機会があれば読んで見てください。神田カフェでも貸出し出来ます。

『有機農産物』表示できる農薬

有機農法、オーガニック食品と聞くと大抵の人は無農薬のイメージを持つと思います。しかし、日本の有機JAS認定に認定された農薬が存在します。天然由来の成分や鉱物、微生物、天敵、フェロモンなど最近では登録農薬も増え農薬が使える様になりました。オーガニック市場が拡大する中、オーガニック生産者が安定生産する為にも需要があるからです。過去を振り返ると、大量に美味しい(食べ易い)同じ形の野菜を生産する為にF1品種を種苗会社などが開発し世界中の生産は増えて来た一方で、化学肥料や農薬の量も増え、それらの化学物質が原因となる公害、身体に不調を訴える人、アレルギーなど問題も多々ありました。70億以上に膨れ上がった地球の人口を養って来た化学肥料と農薬は主に化石燃料(石油)から作られます。今後更に進化するオーガニック的?!な農薬や肥料に前回の記事でも取り上げた『大麻』も加わるかと思います。それは持続可能な石油の代替えになり、大麻を栽培する事で無肥料でも畑の地力も上がるからです。健康な畑では植物の病気も減り必然に農薬使用量も減ります。

最後にふと気付いたのですが、戦後強制される前までの日本は昔からある在来品種継承し、日本の伝統神事に必要な麻栽培を続けていた日本人はECOでオーガニックな人種だったんだな〜。

世界は解禁ブーム 日本も大麻解禁になるのか⁈

先進国で構成されるG7の内、カナダが昨年10月に大麻が合法化されました。カナダでは国民のマリファナ(大麻草に含まれる成分THCが多いもの、一方日本の大麻品種のトチギシロはTHC成分が殆ど無いとされている)などの経験率が4割を超えて取り締まれなくなり、よって法による管理下の元、秩序を取り戻しながら未成年者の使用をや犯罪を防ぎ犯罪組織に流れも断ち、そして税収を増やすことが国家としての方向であり目的になるかと思います。
一方、東京オリンピック目前この様な世界の変化には国家として対策がまだ話し合いも無いまま、外国人選手や関係者の方々の中で医師から治療目的で処方された大麻を持ち込むことに対してどう対処するのでしょうか。海外の国々では癲癇(てんかん)やアルツハイマー、緑内障、癌やリュウマチなど関節痛など痛み止めなどとして大麻(特にCBDカンナビノイド成分)有効とされ、ヨーロッパ諸国や先進国を含む国々では医療目的の使用など合法化に進んでいます。同じアジアのお隣の韓国の話では、世界の流れに沿って医療用大麻が合法化されたとか、タイでも法案に賛成する議員が多くいるとか、マレーシアも追従の雰囲気です。
ヨーロッパ諸国オランダ、スペインなどはコカインなどハードドラックなど常習生の強い薬物や、アルコール使用による犯罪より、大麻関連の犯罪件数が少ない事など個人使用目的嗜好品として認められる様に成って来ました。

日本の神事では昔から必要とされ、日本人の生活と密接なる大麻草ですが、第二次大戦後GHQの指導の元、麻薬のカテゴリーに分類されて以降、私も含む現代の日本人には麻薬=中毒=犯罪 様なイメージがあると思います。日本では栽培免許を持つ大麻栽培者方々が日本の伝統的な神事、花火などの材料や原料の供給にと許可を受けて栽培されています。新規で栽培免許取得される方もありますが、日本はまだまだ海外の生産量とは比べ物にならない程です。近年見直されている大麻ですがメルセデスベンツなど内装材に使用されるなど、海外ではチョットした「大麻ビジネス」ブーム。石油の代わりになると云われ再生可能なエネルギーの大麻草をアメリカの試算では北米大陸の6%で栽培した場合、アメリカのエネルギー問題は全て解決するとも云われています。今後の世界の動きとそれに対する日本にはどの様な影響を与えるのか?日本の方向は?農業関係者として大麻解禁の動きは見流せません。

コーヒーについて〜リベリカ種

2011年にマレーシアで会社を起した時、リベリカ種コーヒーを扱ってました。原種リベリカは写真の様にバラバラで揃っていませんが、今では品種改良されたエクセルサなどはかなり粒も揃ってます。NYコーヒー取引所ではアラビア種、ロブスタ種を取扱いますが、このリベリカだけは扱いません。形や色が不揃いで高木になり収穫が困難、選定しすぎると収量が減る。生産者や業者も嫌うリベリカ。それが「世界で1%も流通しない幻のコーヒー」と云われる所以です。特に東南アジア地域(マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム)で栽培されてますがシェードツリーに使われたり、台木にされたり、一般の消費者が出会う機会はまずありません。ココ数年変化がありフィリピンのキリスト教会が中心になり生産を増やしています。フィリピンでは「Barako」(英語で強い、Strong)と呼ばれ好まれスーパーで色々な製品となり売られています。ラテンの血を引く人が多いのかエスプレソが合うコーヒーなのか?パンチが効いたストロングなバラコ。機会があれば是非試して下さい。

パプアニューギニアの農業

2015年〜2017年の2年間私達が住んでいたパプアニューギニアには、世界最古の農業遺跡があります。クックの初期農業遺跡(クックのしょきのうぎょういせき)は、パプアニューギニア南部にある7000年以上前にまで遡る農業の遺跡です。パプアの人々はつい最近まで農業のスタイルは変えずにタロ、ヤム、バナナを主食とした生活をしていました。遺跡からもその食生活と農耕文化が解る出土品などが証明しています。タロ、ヤム、バナナなど割と日持ちがする食べ物でしたが、もっと保存性の良い米が主食と代わり今パプアニューギニアの食生活も変化しています。パプアニューギニアでも米栽培を度々試みますが、水田を作るにも経験がある人が居なく、手っ取り早い陸稲(おかぼ)から栽培を進めてます。陸稲は水稲と違い連作(機会があれば詳しく説明しますが続けて同じ場所に同じ作物を育てられない)が出来ませんから、未だに国民が食べられる程生産は伸びません。又水稲栽培は田んぼに水を張るので水平に耕す事や水を保つ畦(あぜ)が必要です。手作業で新たに田んぼ1枚を作る事は大変な仕事なんです。木の実や魚など狩猟採集と、タロ、ヤム、バナナ栽培の食文化から稲作文化へと今まさにパプアニューギニアは変貌しようとしています。しかし国民は皆米を食べたいのですが、常夏の日中の田んぼ作りはとても大変で誰もやりたくないです。暑い日中誰がそんな仕事を好んでするでしょうか? 国は現在ほぼ100%の輸入米を減らし2050年までに純国産米100%へ、食の安全保障の観点から国は国策で進めようと目標を掲げました。稲作文化の国々は長い時間を掛けて手作業で田んぼを作って来ました。パプアニューギニアでは機械で田んぼを作る稲作文化からそれが始まります。

パプアニューギニア人も白いご飯とおかずが大好きです。特にアジアでは有名な’’マギーヌードル’’とサバの缶詰などを煮込んで、カレーのルウ状のモノを白いご飯に掛けて食べるのが大好きです。JICAの隊員達はそれを「マギー丼」と呼んでました。マギー丼は御呼ばれした時に振舞われるパプアニューギニアの御馳走です。青梅のカフェレストラン「ニウギニ」では唯一日本でパプア料理「マギー丼」が食べられます。その他のパプア料理も(予約制)興味がある方は是非。                「ニウギニ」http://www.t-net.ne.jp/paradise/