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「道程」〜リンベイコーヒーになるまで。前編 

「道程」〜リンベイコーヒーになるまで。前編 

農mers Cafe(FarmersCafe Tokyo)ではパプアニューギニアのコーヒーだけを扱ってます。            何故ならば、私達夫婦と娘がパプアニューギニアに住んでいた事、パプアニューギニアのミリンベイ州アロタウAlotauで Farmers Cafe Milnebayが1号店、 Tokyoが2号店だからです。

そして何より大事な事、パプアニューギニアのコーヒーだけを扱うと決めたから。

FarmersCafe Tokyoで、今4種類あるコーヒーの中「ミリンベイ」は、もちろん私達が住んでいたミリンベイ州のコーヒー豆で、在来種の一つアラビカTipicaティピカ種になります。

ミリンベイ州の低地ではロブスタ種も多く栽培してますが、アラビカ種は蒸し暑さで発生し易い赤サビ病と言う病気に弱い為、普通は海抜1000m以上の山岳地帯で栽培されています。

山岳地帯の村から町へのアクセス手段は徒歩です。

しかも車道はありません。。。砂利道。もちろんないです。

人1人がやっとこ歩ける道しかありません。。。基本的にこれ普通です。

その「道程」は彼らの足速で3日。

途中キャンプしながら港町へ降りて来て、船に乗り、バス停のある岬で降り、そこからバスに乗り2時間掛けて州都アロタウにやって来ます。

そして、バスも満席になるまで発車しません。丸一日待ちぼうけな時も有ります。

出発が翌日も時々、いや結構あるでしょう。多分。

一度オーストラリア人のUSDAの検査員が徒歩で村に行った話しを聞きました。                 オージーの彼は、パプア人が3日で歩く村までの道程に、何と1週間掛かってそうです。。。

余談ですが、山岳地帯を歩く彼らは普段裸足です。その彼らの足をよく見ると確かに足の裏が立体的、そして足裏は簡単にはゲガしない程に硬く、トレッキングシューズ裏の様になってます。

切り立った渓谷の川沿いを7度命懸けで渡り、1バック50kgのパーチメント生豆の半分25kgを背負い、ロッククライマー顔負けの登り降りを繰り返し、3日掛かって船に乗り、バスに乗り、ようやく町までやってくるのです。

ある日、何度も約束した日に来ない理由を酋長Mathiasに聞いた時、「雨が降ったから来れなかった」と言ってましたが、あとから農業畜産局の同僚に聞いた話しでは、滑落で毎年死者が出る事を聞いてビックリ。そして納得。  それ以降、彼らの「道程」を聞いてから、約束を守れない事など気にもならなくなりました。

2018年 東京神田店1周年記念日

私達は酋長のMathias忘れられず、渓谷をせめて荷物だけ背負わない様にワイヤーロープに使う錆びないアルミ製滑車をMathiasへプレゼントする事にしました。

この予算については、この話を聞いて支援してくれたカフェのお客様の寄付金、パプアニューギニアのジェンダー問題を題材にした映画の上映会の売上金も含みます。

ミリンベイコーヒーになるまでの本当の話。

写真 JICA後任ボランティアから手渡されたアルミ滑車

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