「ミリンベイからShippingが2回…。」@「道程」後編
2017年秋。
私達が2年間住んでいた最後の年にミリンベイ州アロタウの港倉庫にコーヒー生豆が運ばれました。 ミリンベイ州で40年コーヒー生産しながら初めての出来事でした。 最小12フィートコンテナ積まれたコーヒー豆はまだパーチメント(タネ皮)が付いていて、そのままでは種扱いになる為ので日本へはまだ輸出は出来ません。 ミリンベイ州ではまだ工場が無い為一旦、農業畜産局下部組織コーヒー生産組合でパーチメント剥がす処理(Hulling)しグリーン豆にし、衛生証明書も添付してもらって初めて日本行きの港に運ばれます。
だから、カフェで扱う『ミリンべイ」は、Milnebay州AlotauからLae港へShipping1回、Laeから日本へ2回と船に乗り日本へやって来ます。 厳密に言えば生産者は途中スピードボートに乗って来るので3回になります。
だからコーヒーを扱う業者もコストが掛かる為今まで誰もミリンベイのコーヒーを扱う人は居ませんでした。
生産数もゴロカ地方と比べても少なく、単純にビジネスで考えると効率が悪いのです。 それがミリンベイのコーヒーです。 道程もかなり割愛して書きましたが、Lae港から工場までの陸路の往復も、本当は色々様々な長い物語もあります。 それもどれもパプアニューギニア。。。ご来店の際、是非口頭で聴いてください。結構長々とお話いたします。
昨年、facebookで繋がっているコーヒー生産組合職員よりミリンべイにもHuling工場が出来たと嬉しいニュース。 そしてAlotauはオーストラリアに近い港、直接買い付けに来る業者も増えて来ている様でした。
飛び込みで買い付けに来ている業者と、計画流通を進める「コーヒー生産組合」、生産者も安価で買われたり色々な問題も起きていると聞きます。ある程度政府主導で国際価格に沿った取引、指導を行う事も必要です。 目先のお金欲しさに安く売ったり、騙されて代金を貰えない生産者の話も聞きました。 人聞きの良い「フェアートレード、オーガニック認定団体」など認定取得にもお金が掛かります。 認定団体の収益になるが生産者の利益には繋がっていないのが現状です。 だって安いコーヒーの売上では払えませんから。 私たちは農家同士が価格を決め売買し、直接政府の職員を交えて手数料も払い、植物検疫を正しく済ませ、最終的に一杯のコーヒーになりやっと収益が出る計算で日々コーヒーをお出ししています。 東京で保管する倉庫代まで考えると正直「…。」にもなりますが、前編、後編のパプアニューギニアのコーヒー「道程」、物語を伝える義務、同じ農家の立場を伝える事に意味があると日々珈琲屋を続けております。