東南アジアの焙煎
日本人に好まれているコーヒー焙煎は、一般的にアラビカ種生豆をそのまま10〜20分程煎る焙煎方法で、砂糖やミルクを入れずにストレートに飲むスタイルが多いかと思います。
タイトルの「東南アジアの焙煎」と大きく括りましたが、多くの国々で飲まれるコーヒースタイルは、以前書いた「アジアはコンデンスミルク入りコーヒーが好き」でご紹介したようにそのまま飲むスタイルは少数派なります。
そして焙煎する生豆もNY市場でアラビカ種の約半分の価格(相場によりますが)のロブスタ種(カネフォラ)を用い、ハゼ(焙煎の際にポップコーンの様に生豆の水分が膨張し弾け音が鳴る事)が始まったら、砂糖、マーガリンなどを入れます。アラビカより香りや風味の弱いロブスタに甘い香りと独特の風味を出す事、増量の目的があるかと思います。
又その昔、現地の方々が高級品のコーヒーを飲む事が出来ず、コーヒー豆にプラスして麦やコーンなど入れて焙煎しコストを下げ庶民でも飲める嗜好品になって行った経過もあり風味にこだわる焙煎士達が、砂糖や油の熱による変化を焙煎に取り入れ積み重ねた「東南アジアのコーヒースタイル」文化になったそうです。 この方法は華僑の方々を通じて東南アジア各国に伝わったと言われてます。安いコーヒーを更にコストカットしビジネスに繋げるところが逞ましいですね。東南アジアに長く関わった私は時々飲みたくなる「東南アジアのコーヒー」です。